ノムリエの「好みは人それぞれ!」
ノムリエの追言
「好みは人それぞれ!」
MICHIGAMIワインの道上です。
前回の独り言へ数多くのお返事を頂きありがとうございました。
皆様のご意見・ご感想は大変参考になります。
どんどんお送り頂けると嬉しいです。
それでは今回の独り言です。
今まで飲んだ中でボルドーの赤ワインが一番美味い、
と思っています。他のワインと何が違うのでしょう。
ワインの歴史、生産量、どれをとってもボルドーは世界を圧倒しています。
フランス史上2度もボルドーに首都が置かれたことをご存知ですか。
フランスにとってそしてヨーロッパの歴史においてボルドーは
大変重要な都市です。
イギリス領であったことがあるボルドーはイギリスの影響を強く受け、
ワインは重要な輸出品でした。
現在では瓶詰めが一般的なワインですがそれまでは樽、そしてその前は
陶器に詰められていました。
陶器は馬車で運ぶと壊れやすいためもっぱらガローヌ川、ドルドーニュ川、
ジロンド川の水上交通路を利用した輸送が中心でした。
そしてイギリスが世界を席巻し大英帝国と呼ばれていた頃、そのイギリス
によってボルドーのワインは一気に世界に広まりました。
その名残でいまだにヴィンテージものの高級ワインはフランスよりも
ロンドンやニューヨークの方が比較的安いようです。
オークションも必ずしもフランスの倉庫保管とは限りません。
しかし今でも高級ワインが世界で最も安いのは日本ではないでしょうか。
海外から日本にワインを買付けに来るケースが最近まで有りました。
10数年前は中国人がやたらとラフィット・ロスチャイルドを買い付けに来ていました。
弊社で7万円で売ったワインが中国では77万の卸値段で取引されていました。
10年前あたりから中国でも下がり始めていますが20年前まで
一部の高級ワイン が中国の投機筋により急騰しました。
一方オーパス・ワン ロマネ・コンティなどは日本が一番高いのではないでしょうか?
一時期シャトー・マルゴーも高くなりすぎていました。
こんな特殊な例は別としても
ボルドーの赤ワインだけが美味しいわけではありません。
が、私はボルドーの赤ワインが一番好きです。
これは好みの問題で飲みなれているせいかもしれません。
私は40年程前から20年間ほぼ毎月仕事のため
イタリアに行っていました。
その間イタリアのワインは相当飲みましたし、輸入もしました。
しかし北イタリア・ピエモンテのワインはどうしても好きになれませんでした。
樽を焦がしたような味と臭いに消化不良をおこす気がするのです。
しかしながら日本にはイタリア料理店の数はフランス料理店の数の10倍もあります。
私にとっては現在イタリアのワインは高くなりすぎて手が出ません。
慣れというのは怖いものです。
先週もお伝えしましたが私は市販されているマヨネーズを食べると
気持ちが悪くなります。
でも食べ慣れている為、市販のマヨネーズが好きな方はたくさんいらっしゃいます。
フランスのワインよりもイタリアのワインの方が好きだと言う方が多いのは
日本ならではです。
ヨーロッパでは考えられないのです。
イタリアのレストランでフランスのワインが置いていない所は少なくないですが、
フランスのレストランでイタリアのワインが置いてある所は
殆ど有りません。
それがヨーロッパの常識です。
ボルドーのワインでも上手に買えば安くて美味しい物が
いくらでも手に入ります。
ボルドーの高級ワインは15年ごとに安くなったり高くなったりすると
フランスの友人が言うのですが、今は上手に仕入れれば物の割には
安く買える 時期だと思います。
ところで日本のソムリエはやたらブルゴーニュワイン(ピノノワール)を
勧める傾向があるようです。
なぜだかわかりません。
きっと日本のフランス料理があっさりしているからだと思います。
凄腕シェフはボルドー(カベルネ・ソービニョン)を勧める事が 多いようです。
メルロよりもです。料理との相性だと思います。
料理無しだと メルロの方が飲みやすい場合が有りますが。
お酒でアルカリ食品は赤ワインだけです。
他の酒類はすべて酸性食品。
10数年前から赤ワインのポリフェノールが話題になりましたが
身体に良い理由はそれだけではありません。
40年程前のスイスの新聞が発表した統計にボルドーの赤ワインを
飲んでいる人がガンで死亡しない確率は83%というのがありました。
戦前からボルドーの赤ワインを粉末にしたものを心臓病の特効薬に
している製薬会社が多いのには驚かされます。
私のイタリアの友人が心臓発作を起こしたとき、医者にボルドーの
赤ワインを飲むよう言われたと聞き、ボルドーから120本送ったこともあります。
ボルドーの赤ワインが身体に良いと書いてある本はたくさんあります。
なぜボルドーなのでしょうか。
土壌でしょうか。
ブドウの品種でしょうか。
いまだ明確には解明されていません。
ボルドーの赤ワインのポリフエノールには
多くのレスベラトロールと言う成分が含まれていると
話題に成っていますが、このレスベラトロールという成分を
いち早く発見したのが何と北海道大学の教授であり。
70年以上前の事でした。
ボルドー赤ワインのしっかりしたものは 身体にも良いとされています。
今流行のアンチーエイジング、放射線治療、放射線予防
きりが無いほどですが
飲み過ぎなければですね!
追伸:私の持論は、野菜もフルーツにも皮と種に栄養が有ります。
ワインは皮も種も潰すと赤い色に成ります。
早くもち麦が食べたい!
【 道上 雄峰 】 幼年時代フランス・ボルドーで育つ。 当時日本のワインが余りにもコストパフォーマンスが悪く憤りを感じ、自身での輸入販売を開始。 |
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